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みんなの人生ピカっとのぞき見! Vol. 26

将来の夢×自己成長のモヤモヤ! 憧れていた教師になって3年目、なりたい自分を目指して日々前進

中学生時代に出会った先生の姿勢に影響を受け、教師の職に就いたSさん。担任するクラスの生徒たち一人ひとりと日々向き合い、さまざまな出来事を乗り越えてきたことで、自らも成長を遂げてきました。中学校の教師になって今年で3年目。理想とする教師像に近づくために、Sさんの努力と葛藤、挑戦はまだまだ続きます。

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PROFILE

仮名:S.Kさん

24歳

茨城県出身。中学生の頃から教師になることを目指し、高校卒業後は県内の大学の教育学部に進学。教職課程を修了し、教員免許を取得後、茨城県の教員採用試験に合格した。2023年から数学の教師として公立中学校に勤務している。配属1年目からクラス担任を任されており、現在は3年生の担任と卓球部の顧問を受け持つ。父母、妹、弟とともに実家暮らし。

 中学生からの夢をかなえて中学校教師に 
一番やりがいを感じるのは行事のとき

Sさんが中学校の教師を目指したきっかけを教えてください。

中学3年生のときの体育祭で、女性の先生が生徒と一緒になって、全力で声を出しているところを見て、“大人もこんなに本気になっていいんだ!?”って思ったのがきっかけですね。そこから先生たちをよく観察してみると、自分たち生徒がうれしいときや悔しいときに先生も同じ気持ちでいてくれると感じたり、あと、“先生たちも成長しているな”って思ったり(笑)。子どもながらに、先生が生き生きとしているように感じたんです。それで“先生ってかっこいいな!”と憧れて、教師を目指しました。もう中3の後半には“先生になりたい”と決めていましたね。でも、軽くですけど、両親からはずっと反対されていたんです。「学校の先生って拘束時間が長いんでしょ?仕事のために生きない方がいいよ」、「プライベートと自分を大事にしなよ」と、言われていました。それでも私は「いや、自分で決めたことを1回やってみないと後悔しそうだから、やるね」って言い続けて、貫きました。

教師になってみて、どんなときにやりがいを感じますか?

毎日子どもたちと話すのがすごく楽しいです。淡々と仕事をこなすだけではなく、1日1日違ったコミュニケーションがあるので、そこはやりがいにつながっていますね。あと、一番やりがいを感じるのは、行事のとき。子どもたちが団結して頑張る姿を見ることができるんですよ。この間の合唱コンクールでは、クラスの子たちが泣きながら一生懸命に歌っているのを見て、すごく感動しちゃって。私もつられて泣きました。そういう体験はこの職でしかできないなぁと思います。普段の授業では、数学の問題が分からなかった生徒が、自分が教えたことで「分かった!」と解けるようになったり、授業中に「なるほど……」というつぶやきが聞けたりしたときに、教師としてのよろこびを感じますね。

Sさんの教えることが生徒たちの学習の助けになっている、それを感じることもやりがいなんですね。では、中学校での1日のスケジュールを教えてください。

朝は、7時半ごろに学校に着くようにしていて、7時45分に子どもたちが登校し始めるので、教室で出迎えられるようにします。その後、8時5分から35分まで「朝の時間」があって、8時45分から授業スタート。午前中は12時35分までで、お昼を挟んでから6時間授業の日は16時前に下校ですね。平日は週3日、授業のあとに2時間ほど部活動があるんです。その後、欠席した生徒への電話連絡や、職員同士で「今日この子がこうだったよね」と情報共有したりして。自分の仕事ができるのは18時ごろからですね。

憧れていた職業に実際に就いてみて、理想と現実のギャップはありましたか?

ギャップはあまり感じないですけど、“やっぱり帰れないなぁ……”というのはありますね。やっと自分の仕事ができるとなっても、「ちょっといい?」と他の先生に質問されることが多くて、なかなか思ったように進まないんです。“20時までには職場を出るぞ”と、自分の中でリミットを決めてやって、家でできることは家に持ち帰っていますね。授業の準備は家でもできるので、学校では、行事に関わる仕事を優先してやっています。

徐々にペースをつかんだ3年目 
大変なことがあっても、子どもたちに携わる思い

教師になって1年目から毎年クラス担任を受け持っているとのことですが、慣れましたか?それとも年々難しさを感じますか?

どっちの面もありますね。1年目は、もうただ目の前のことをやるしかない。2年目は、ちょっと自分の色を添えられるようになって、“あれやりたい、これやりたい”が言えるようになりました。3年目となる今年は、もう、私がどういう人物なのかを子どもたちが分かってくれているので、気持ち的に楽な部分はあります。

毎年クラス替えがあるんですけど、今年担当したクラスはそれぞれ熱い気持ちがあるのに、それをクラスで共有し、「全員で雰囲気をつくる」ことが得意ではない子たちが集められたので、最初は正直、少しやりづらさを感じていたんです。でも、子どもたちとコミュニケーションを取っていくうちに、“不器用なだけなんだ!”というのが理解できて、それからはすごく楽しくやらせてもらっていますね。

思春期の子どもたちと接していく中で、落ち込んだりすることもあると思います。ご自身の気持ちを整える方法はあるのでしょうか。

今年の1学期にいろいろあったんです。詳しくはちょっと言えないんですけど、結構沈みましたね。でも、もう落ち着いて、クラスも2学期からいい感じにまとまってきたので、今は大丈夫なのですが。

私は海が大好きなので、落ち込んだときは海岸に行って、1時間ぐらい海を眺めますね。あとは友達や家族に話したり、ChatGPTにわーっと言って「そうだね……」って慰めてもらったり(笑)。学校にはすごく面倒を見てくださる先輩の先生たちがたくさんいるので、相談もしています。

いろいろと大変なこともある中、Sさんが教師を続けるモチベーションとは?

やっぱり大変ではあるんですけど、一つひとつのやりがいが大きくて。この間の合唱コンクールでも、クラスの子どもたちから、「S先生、ありがとうございました!」っていうサプライズを受けたんです。気持ちが落ち込むこともありますけど、そういうことを体験しちゃうと、“やっぱり子どもたちに携わっていきたいな”って思わされますね。

本当に学校によると思うんですけど、うちの学校は子どもたちがすごく素直だし、先生もみんな協力的。職員室でも、私が「これどうしよう!?」と言っていると、先輩の先生が「え、どうしたの?」って駆け寄ってきてくれる。周りの人がすごくいい職場なので、それが教師を続けていける力になっているし、支えにもなっています。

あのときに見た先生の背中を追いながら 
生徒たちと一緒に成長していきたい

教師になって3年目になりましたね。課題としていることがあったら聞かせてください。

周りの先生を見ると、“授業に日常を落とし込んでいて上手だなぁ”とか、“生徒の懐に入るのが上手だなぁ”と思うんです。“懐に入る”というのは、子どもが「話したい!」と思えるような雰囲気を自然につくるのが上手ということですね。そんな先生がいる中で、“自分の強みって何だろう?”と思うんです。

今年の1学期にいろいろあって、私は自分の心を守るために感情をオフモードにしていたんですよね。それまでの自分は、明るくてしゃべるのが上手で、感情を表に出すのも得意だと思っていたんです。でも感情オフにしてからは、“あれ、今までどうやって人としゃべっていたんだっけ?”みたいな。“自分らしさって何だろう”と自問する日々が5ヵ月間くらい続きましたね。

今も自分らしさは見つかっていないんですけど、“この子とはこういう距離の詰め方”、“この子にはこんな話し方”みたいなのを自分なりに模索しています。

これから自分の強みは見つかりそうですか?

それを早く見つけたいんですよね。今年度はクラス担任とは別に、特別活動主任になっていて、行事の運営をしているんです。その部分で今年は挑戦をたくさんしました。文化祭の内容を変えてみたり、中学校だけでやっていた行事を隣接する小学校と合同にしてみたり、生徒会の選挙の形をちょっと変えてみたり。先を見越して学校を動かす自信はついたかなと思います。

あと、先日の合唱コンクールで、私は特別活動主任の仕事が忙しく、クラスの練習をあまり見ることができていませんでした。でも、子どもたちだけで自主的に音楽を追求していたんです。その姿を見て、“あ、育ったんだな。私がやってきたことは間違いじゃなかったのかもしれない”って思えて、自己肯定感が上がりました。

生徒たちの成長がSさんをすくい上げたんですね。“こういう先生になりたい”という理想の教師像を教えてください。

原点に戻るんですけど、生徒と同じ気持ちになって、一緒に成長できるような先生になりたいですね。中学生当時は、先生たちを見て、“自分たちと同じ気持ちになっている”と思っていたんですけど、教師になってみたら、100%同じ気持ちになる難しさを感じるんですよ。教師として、気にしたり心配したりすることがあるので、なかなか生徒と同じ気持ちにはなれないんですよね。仕事としての冷静な部分と、感情がグッと上がる部分のメリハリをつけられたら、クリアできるのかもしれません。それから、もうちょっと自分をさらけ出せたら、扉が開けるのかなと思っています。

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