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みんなの人生ピカっとのぞき見! Vol. 05

三兄弟育児×自己研鑚のモヤモヤ! 子育て真っ只中にMBAを取得。3人の息子とともに自分も育っていく

11歳、8歳、3歳の男児3人の父であるIさん。“早く結婚して家族を作りたい”という思いから、20代で結婚して子どもを持つことを選択しました。その後、三兄弟の子育ての最中に、大学院へ入学しMBA(経営学修士)を取得、転職にも挑戦。結婚、子育て、キャリアアップ……人生の節目で軽やかに舵を切っていくIさんの決断力と行動力を支えるのは、“今”のご自身の気持ちを大切にする姿勢でした。

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PROFILE

I.Mさん

39歳

愛媛県出身。都内の大学を卒業後、外資系の製薬会社に入社。営業職として九州地方に11年ほど赴任したなかで、妻と知り合い結婚。都内・本社のマーケティング部署への異動をきっかけに、36歳で働きながら大学院に入学し、在学中に別の製薬会社に転職する。昨年3月の卒業と同時にMBAを取得。現在も引き続きマーケティング部署で、医薬品の販売戦略を担当。週の半分はリモート勤務をしている。埼玉県で妻と息子3人の家族5人暮らし。

子育てに覚悟や自信はなかった 
子どもを育てる過程で親になっていく

26歳で結婚、28歳で第一子を授かったのですね。当時、子育てについてはどう考えていましたか?

僕は、家族を持つのは早ければ早い方がいいなと思っていて、“若い元気なパパになりたい”という願望がありました。それから、早く子どもを授かって、仕事に集中したかったということもあります。“仕事が落ち着いてから子どもを”というのは体力的に大変だと思っていたので、逆に後回しにしたくなかったんですよね。妻とは22歳のときに出会い、その1、2年後にはプロポーズをしたんですが、妻も僕と同じく“早く子どもが欲しい”というタイプでした。妻も私も仲がよい3人きょうだいの家庭で育っていて、きょうだいが3人いることのよさを知っていたんです。

この少子化の時代にお子さんが3人。Iさんが思う育児の大変さを聞かせてください。

うちは女の子がいないので、あくまでも主観なんですけど、“男の子3人の育児は、女の子10人分くらいの大変さかもしれない”と思いますね。兄弟間でもいろんなトラブルがあるし、外でもトラブルがありますから、悩みも3倍以上あります。特に小さい頃はすごくやんちゃで、お友達と喧嘩して帰ってきたりすることも結構あったので、“どう育てたらいいんだろう?”と悩むことがありました。今では、すごく落ち着いていますけどね。当時は夜、子どもが寝静まった後に妻と2人で晩酌しながら、お互いの悩みや考えをよく共有しあっていました。よく、「子育ては2人も3人も変わらない」という話を聞きますけど、子どもたちがある程度大きくなるまでは、まったくそんなことはないですね。習い事が3人バラバラで、それぞれの送り迎えもありますし、当然お金も3人分かかりますから、やっぱり変わりますよ(笑)。兄弟同士の喧嘩も当然あって、最近はパワーが付いてきているので、家の壁が壊れるとか、ドアが外れるとか……(苦笑)。いろいろ激しめなところは、男の子を育てる上での大変さですね。

それは結構、激しいですね……。なかなか思い通りにいかないのが育児だと思いますが、その辺り、Iさんはどう考えられていますか?

これを妻に聞かれたら「無責任!」と怒られるかもしれないですけど、最終的には子ども本人の問題だと思っているんですよね。彼らのことを心から愛していますし、自立するためのサポートはもちろんしますけど、最終的にどうするかは彼らの問題であって、僕の問題じゃない。この表現で誤解なく伝わりますかね?将来のことは分からないので。彼らの先々をただ不安に思うよりは、彼らが今楽しいと思うことを一緒にしてあげることが僕らにできることだと思っているんです。「こういうふうに育ってほしい」と妻と話しますけど、選択するのは子どもたちなので、子どもたち自身が考える力を育み、選択肢を作ってあげたいと思っています。

親としてお子さんをこう育てたい、こういう家庭にしたいなど、理想はあるのでしょうか?

僕、子育てに対して、そこまで「こうしたい」というような強い思い入れがなくて。親になってから、子どもと一緒に育っている、という感じですね。子どもは欲しかったけど、子どもを育てることに最初から覚悟や自信があったわけではないんです。子どもが生まれて、育てていく過程で、ようやく自分の責任感が生まれたところがありますね。

仕事上の危機感を払拭するために 
大学院に通い、MBAを取得

親になったことでIさん自身が一番変化したことを教えてください。

人への関心が高くなったことですね。今までの僕は、どちらかというと自分の力で勝ち負けがはっきりする世界が好きだったんです。学生時代に卓球をやっていたんですけど、個人競技なので、負けたら自分のせいだし、勝ったら自分が頑張った成果じゃないですか。そういうふうに“人のことよりも、自分がどう頑張るか”というのがベースで、論理で動くタイプだったんですよ。

でも、社会人になると、それだけではうまくいかないことがすごく多くて。営業職のときは個人の力でまだなんとかなっていたんですけど、マーケティングの仕事となると、いろんな人たちと接するので、自分だけでは解決できないことがあるんです。

遅いかもしれないですけど、“他人がどう考えてどう動くのか”ということをよく考えて、自分以外の存在を気にするようになったのは、子どもを持ってからですね。子どもって、人の言うことを聞かずに自分の意見を通しますから(笑)。自分以外の意見を知ると、それとは違う自分の意見がまた際立って見えるんです。子どもと接することで、自分の意見と向き合う時間と他人の意見を考える時間を往復できるようになって、自分の成長につながっている感じがありますね。

なるほど。その内面の成長の一方で、お仕事と並行しながら36歳で大学院に入学して、MBAを取得する道を選ばれましたね。動機は何だったのでしょうか。

本社のマーケティング部署に異動になったタイミングで、関わるメンバーがガラッと変わったんですね。営業職では限られた人たちとの接点しかなかったんですけど、本社でマーケティングとなると、いろんな人たちとの接点ができるんです。そこで自分のビジネススキルの低さを感じる場面が多々ありました。

特に最初は、ファイナンスの経営企画の人たちとの接点が多くて、ビジネス用語が分からないという壁に当たったんです。“このままだと、この部署で生きていけない……、サバイブするために学ばないと!”という危機感をきっかけに、MBAを取得することを決めました。大学院自体の期間は2年ですが、その前から受講はできたので、トータルすると3年ちょっとくらいですね。思い切った判断でしたが、付いていけない不安や焦りの方が強かったです。

オンラインでも受講できるんですけど、ディスカッションのある授業はリアルで受けたかったので、週1~2日のペースで、平日の夜19時から22時の講義に通っていました。会社の制度ではなく、自分で受験して、自分の時間を使って、です。 

「自分の時間を使って」ということは、早く退勤できるなど、会社からの配慮はなかったんですよね。仕事もあって、家庭もあって、時間のやりくりはどうしていたんですか?

通勤時間にケースレポートを聞くとか、こまごました工夫もしましたけど、一番手っ取り早かったのは“寝ない”ことですね(笑)。大学院2年目が忙しくて、研究のプロジェクトや、グループでのプレゼンテーションがあって、個人の時間の他にグループでの時間も作らないといけなかったんです。他のメンバーも社会人で、仕事が忙しいので、オンラインミーティングできるのが夜中か朝イチなんですよ。2年目は転職のタイミングも重なっていたので、忙しいときには睡眠時間2~3時間くらいでやっていました。

おかげで、隙間時間があればどこでもすぐに眠れるようになりましたね。電車で立ったままでも寝られます。帰宅して座ると寝ちゃうので、息子たちから「お父さんは座ったらすぐに寝るよね」って言われていました(笑)。

先のことは考え過ぎず、“今”を見る 
父親としても、まだまだ成長中!

これまでの人生でいろいろな岐路に立ってきたと思うのですが、Iさんが決断をする上で指針にしていることがあったら教えてください。

自分だけの決断だったら、“面白そうな方を選ぶ”というのがあります。それから僕、将来をあんまり考えないんですよ。だから結婚するときも、“10年後も妻を好きかどうか分からないけど、今好きだから結婚したい!”ということしか考えていなかった(笑)。それが答えになる気がします。

子どもに関しても、“ちゃんと育てられるのか”ということに覚悟も自信もなくて。“子どもがいた方が楽しいじゃん!だったら早く欲しいかな”という自分の気持ちを尊重しただけなんですよ。“今”だけを見て選択しているんだと思います。ただ、そのとき決断した自分に恥じない行動をしたいですけどね。

将来設計の上で判断しているのではなく、そのときのご自身の心の動きを大切にしているんですね。

そうはいってもやっぱり家族が大事なので、妻の了解を得ることも大事にしています。すごく印象に残っている出来事が、大学院2年目のとき。三男の誕生と重なって、妻の産前産後に合わせて育休を1ヵ月ずつ取ったんですけど、単純に“時間ができた!”と思って、大学院の授業を増やしたんです。「何のために育休を取ったの!?」と妻からめちゃめちゃ怒られましたね。反省して、そこからは育休を取得中の身分にふさわしい行動を取りました。

結局、僕は妻ほど子どものことを考えられていなくて、子どもができて生活が変わるのは妻だということをあらためて実感しました。その全部は乗り越えられないかもしれないけど、理解しておくことで家族に対する言動は変わるような気がします。お父さん歴11年でやっと芽が出てきたかな、という感じです。

お父さん年齢11歳ですね。これからどんな家族になっていきたいか、イメージしていることはありますか?

息子たちには、“お父さんは仕事を楽しそうにやっている”と思ってもらいたいですね。仕事についての関心は持ってもらいたいし、社会に出るのが嫌だと思ってもらいたくないです。そういう思いから、仕事をしている様子を見てもらう環境にしたいなと思って、家で仕事をしているときはあえて部屋のドアを開けています。息子たちが入ってくることも多くて、リモート会議の画面に映り込むこともありますね(笑)。会社はその辺は全然OKで、“子どもが映ると和む”というムードなので、恵まれています。

自分のことで言うと、ずっと外資系の製薬会社で働いていて、守られているところにいるんですよね。僕の実力というよりは、会社の力で仕事がきているところがかなりあると思うんです。別に起業したいわけではないですけど、“Iさんに仕事をお願いしたい”、“Iさんだから任せたい”、という案件を増やしていきたいです。自分の価値を上げて、自分で仕事を取れるようにしていきたいですね。

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