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みんなの人生ピカっとのぞき見! Vol. 07

思いがけない妊娠×夫婦関係のモヤモヤ! 「頑張って一緒に育てていこう」。あのときの決断が夫婦の信頼の礎に

未婚の22歳で想定外の妊娠が発覚。思いがけない妊娠に戸惑いながらも、入社して間もない会社を退職し、母になることを選んだSさん。その大きな決断の背中を押したパートナーとは、高校生のときに知り合って以来30年以上の付き合いです。娘さん2人の子育てが終わり、これから50代へと向かっていく中で、Sさんの支えとなっているのは、やっぱりパートナーの存在でした。

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PROFILE

S.Hさん

49歳

大学卒業後、地元・千葉の企業に就職。高校時代から付き合っていた彼との子どもを妊娠したことを機に、入社から2カ月後に退社し、結婚。長女出産の2年後に次女を授かる。夫の転勤に合わせて関東圏内で居を移し、30歳のときに千葉に戻る。現在、夫は北海道にて単身赴任中であり、20代の娘二人は自立。自身は家業の美術教室で事務パートとして働きながら、次女と一緒にVリーグ(男子バレーボール)チームの応援を楽しむ日々を送っている。

就職して間もなく妊娠が発覚 
“どうしよう……”と悩みながらも、夫婦で固めた決意

パートナーさんとは高校時代からのお付き合いで、出会ってから30年以上が経っているんですね。

お互いの地元が千葉で、通っていた高校で出会いました。クラスの仲がすごくよくて、私たち以外にも結婚したカップルがいるんですよ。夫とは高校2年生から5年半ほど付き合って、22歳で結婚しました。結婚のきっかけは長女を授かったことでした。当時、夫の勤務先が栃木県に決まり、大学4年の2月頃から研修に通い始めたんです。それまでほぼ毎週会っていたのが、就職準備で初めて2、3週間会えない経験をして、“キツいな……”と感じました。そんなときに妊娠が分かり、「これで一緒にいられる理由ができた」と思ったのも大きかったですね。

当時、Sさんご自身も就職したばかりですよね。社会人として働き始めてからすぐの妊娠は、不安があったのではないでしょうか。

そのときは子どもが欲しいと思っていたわけではなく、思いがけない妊娠だったので。やっぱり最初は、“どうしよう!?”という気持ちでした。その年の3月に大学を卒業して4月に就職して、5月の終わりから6月の頭頃に、“おや、おかしいぞ?”となったんです。もともと生理不順だったので、夫と「またいつもの感じじゃない?」と話していたのですが、「いつまでたっても生理が来ない、さすがにおかしい!」となって。妊娠検査薬を使ったら陽性で、2人で産婦人科を受診しました。医師から妊娠を告げられて、2人で「これからどうしようか……」と話し合いましたが、2人とも就職したばかりで、まだ結婚もしていないし、即決ができなくて。いったん持ち帰ることにしたんです。その翌日だったか2、3日後だったかは覚えていませんが、夫が電話をくれたんです。そして、「ここで中絶してしまったら、2人の関係を続けていかれなくなると思うから、不安はあるけど頑張って一緒に育てていこう」と言ってくれました。私は“中絶しなきゃ”とは考えていませんでしたが、もし夫から「中絶しよう」と言われたら、そうしていたかもしれません。

2人で腹を決めたんですね、覚悟のいる決断だったと思います。

2人で決断をしてからは早かったですね。付き合いが長かったので、お互いの家を行き来していましたし、家族同士のこともよく知っていましたから。私は、妊娠がわかってから、割とすぐに会社を辞めました。実家のすぐ近くの会社に就職しましたが、“どうしてもやりたい!”と思える仕事に就けていなかったので、正直なところ、“働かなくてラッキー”という気持ちもあって。若かったですね。その後、“おなかが大きくなる前に!”と、8月に結婚式を挙げました。

そうなんですね。結婚に対する不安はなかったですか?

当時の私は不安よりも、“好きな人と結婚できる!一緒に住める!”という喜びのほうが大きかったと思います(笑)。それから、うちは早婚家系なんです。私が生まれたとき、母は20歳で、祖母は40歳でした。みんな長女で早く結婚しているんですよね。その影響なのか、うちの長女も去年24歳で結婚しました。

23歳でスタートした育児 
支えたのは、家族、仲間、そして長年の親友でもある夫の存在

妊娠中、悩んでいたことや困っていたことはありましたか?

妊娠3カ月くらいの頃に、夫の赴任先の栃木で新しく小さなアパートを借りて、2人で暮らし始めたんです。でも、周りに知り合いがいない初めての土地で、おなかには赤ちゃん。さらに、切迫早産気味で、医師からは「あまり動いちゃいけない」と言われている状況で……。当時はスマホがない時代で、パソコンはあっても今みたいにサイトが充実していなかったので、家で楽しめる娯楽はテレビだけ。メンタル的に浮き沈みが激しくなってしまい、家にいるときは1人で泣いてしまうこともありました。

同じ年齢のお友達はバリバリ仕事をしている。その様子を見て焦ることはなかったですか?

今の世の中的には、“女性でもバリバリ働きたい。自分の稼いだお金で好きなことをしたい”という人が多いと思いますが、私はもともとインドア派で、“働きたい!”という気持ちがそれほど強い方ではありませんでした。「働かなくていい」と言われたら、家にずっといるのも苦ではなかったんです。

当時はSEになる人が多い時代で、周りは朝から晩まで忙しく働いていました。でも、“私だけ置いていかれてつらい”という気持ちにはならなかったですね。自由に使えるお金がなくても“まあ、いっか”と考えられました。希望していた会社に就職できなかったこともあり、“専業主婦として、家庭に専念できるのもいいな”みたいな。

専業主婦と共働き、どちらの選択も人それぞれですよね。ちなみに、次女を出産されたときの子育てはいかがでしたか?

そのときも育児で悩むことは特になかったですね。長女も次女も里帰り出産で、産後2ヵ月くらいまで実家で過ごしましたし、結婚してからも頻繁に実家に帰っていたので、寂しさを感じることはなく、楽しくやっていました。

23歳で母になったということですが、“もっと遊びたかった、こんなこと経験してみたかった”と思うことはなかったのでしょうか。

社会人の若い女性たちが言う“友達と遊ぶ”って、何をするのかわからないんですよ。夫とのデートでカラオケに行ったり、ダーツや卓球をしたりしていましたし、結婚後もカラオケには行っていたので、友達と遊びに行きたいとは特に思いませんでしたね。

それに子どもが生まれてからは、出かける場所選びは子ども優先になりましたが、今までやっていたことが制限される感覚はなかったです。夫も含めて高校時代の同級生たちとスノーボードに行ったり、年に2回くらい泊りがけで出かけたりもしていました。私は実家にすごく甘えていて、そういうときは子どもたちを実家に預けることができたんですよ。子どもたちが小さい頃、私の母は40代。元気で体力があったので本当に助かりました。

パートナーさんとは、夫婦でもあり親友でもある、という関係性なんですね。パートナーさんはどんな方なんですか?

夫は“決めたらやる”タイプのストイックな人で、自分のためになることをしようと考えて暇な時間を作らないですね。私は暇があるとついダラダラしてしまうタイプなので、真逆だなと思います。

でも、夫とは好きなものが一緒なんですよ。2人ともカラオケと焼肉が好きで、たまに映画を見に行ったりもしました。ご近所さんやママ友にサーファーがいて教えてもらったのをきっかけに、娘たちが小さい頃は家族みんなで海に行って、交代で子守とサーフィンをしていました。夫が腰を痛めてやめてしまいましたが、すごくいい思い出です。スノーボードも共通の趣味で、そういう楽しみが合っていたのがよかったのかもしれないですね。まだ結婚していない次女にも、夫婦で共通の楽しみを持てる相手と出会ってほしいなと思います。

子育てを終えた今、娘との“推し活”を楽しみながら 
夫婦の時間を大切にしていきたい

パートナーさんは今、北海道で単身赴任中なんですよね。離れて暮らすことは寂しくないですか?

夫とはたまに会うくらいがちょうどいいし、ありがたいです(笑)。名古屋に単身赴任していたときでも、月に2回は帰ってきてくれていました。それに、その頃にはもう娘2人が小学生になっていてワイワイやっていたので、寂しい気持ちはなかったですね。それぞれの習い事もあって毎日忙しかったですが、心は満たされていました。女性3人のチームワークができあがっていて、夫が会話に入るタイミングを見計らうほどでしたね(笑)。

家族で仲がとてもいいんですね。長女の出産を決断した当時を振り返って、どう感じますか?

今思えば、22歳で子どもを産むことを選んだとき以上の決断は、その後あまりなかったかもしれません。あのとき産む決意をしていなかったら、夫と22歳で結婚していなかったと思います。遠距離恋愛になったことで別れて、違う道を歩んでいたかもしれない。あのとき夫が「一緒に育てよう」と言ってくれたから、今の私たちがあるのだと思います。

夫を信頼しているので、何か迷ったときは夫の意見を参考にすることが多いですね。夫は意思のしっかりした人なので、困ったことがあると必ず答えを出してくれるんです。アルバイト先でつらいことがあり本当に悩んで、夫に「もう辞めたい」と話したときも、「そんなにつらいなら辞めたらいいじゃない」とキッパリ言ってくれて、私も「そうか」と思いアルバイト先を辞めることがありました。夫の発言から、決断できることが多いです。

思いがけない妊娠が発覚したとき、同じく22歳だったパートナーさんの言動がSさんをずっと照らし続けているのだと思いました。子育てが終わって、これからやりたいことはありますか?

去年、銀婚式を迎えて、自分でもびっくりしました(笑)。これからのことは模索中ですね。母がママさんバレーをやっていたことをきっかけに、次女と一緒に男子バレーボールの推し活をしているので、そのための収入は得たいですし、老後のためにお金を貯めなきゃいけない、とは考えています。

夫が転勤先の北海道から帰って来ることもありますが、私が北海道を訪ねることもあります。その間は家事をお休みして外食に出かけるなど、すごく楽しく過ごさせてもらっています。

近いうちに今の仕事を辞めて、夫のいる北海道との2拠点生活もいいかなと思っています。夫は昔から早期退職すると言っていて、本当にそうするかどうかは分かりませんけど。そうなったら2人であちこち旅行をして、夫婦の時間を楽しむのもいいですね。

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